最終話
タクヤと手をつなぎ、タクヤの肩に頭を預け、飛行機の小さな窓から
外を見た。
いつも仰ぎ見る空より、少しだけ近いところにその青い色が広がっている。
眼下には、やはり青い色、澄み切った海がどこまでも続いている。
おととい、空港で私と勇樹の姿を見つけたタクヤは、
私への気持ちを整理しようと一人沖縄に向っていた。
『やはり、イブは彼を選んだのか』
そんな悲しみを乗り越えるために、一人で思い出のホテルに滞在していた。
そして、一日遅れで私の姿を見つけた。
タクヤは何も言わなかった。
何も聞かなかった。
ただ、ただ、そっと私を抱きしめてくれた。
夕焼けに染まるビーチで私達はお互いの瞳の中に自分を探し、
そして、あたりが暗くなるまで寄り添って波の音を聞いていた。
私は、これからこの人のことだけを見つめていく。
そんな思いと共に、飛行機は空港に到着した。
これからまた日常が始まる。
でも、今度は今までとは少しちがう。
タクヤが隣にいる。
少し高い位置にあるタクヤの横顔を見つめて、そっと微笑む。
空港のロビー。
たくさんの人が思い思いの方向に足を運んでいる。
と・・・。
駐車場へ向うエレベータの前に、一人待っている勇樹の後姿を見つけた。
彼の心の中を私が覗くことはもうできない。
いつもと同じようにまっすぐな背中からは、何も推察することはできない。
到着したエレベーターに乗り込んでいく勇樹の後姿を、タクヤの肩越しに見送る。
『ごめんね、勇樹。
そして、本当にありがとう。』
エレベーターの扉が閉まる瞬間、勇樹がこっちを見た気がした。
私は・・・。
腰に回されたタクヤの手の温もりにそっと押されて、
私達の帰るべき方向へと足を踏み出した。
タクヤと手をつなぎ、タクヤの肩に頭を預け、飛行機の小さな窓から
外を見た。
いつも仰ぎ見る空より、少しだけ近いところにその青い色が広がっている。
眼下には、やはり青い色、澄み切った海がどこまでも続いている。
おととい、空港で私と勇樹の姿を見つけたタクヤは、
私への気持ちを整理しようと一人沖縄に向っていた。
『やはり、イブは彼を選んだのか』
そんな悲しみを乗り越えるために、一人で思い出のホテルに滞在していた。
そして、一日遅れで私の姿を見つけた。
タクヤは何も言わなかった。
何も聞かなかった。
ただ、ただ、そっと私を抱きしめてくれた。
夕焼けに染まるビーチで私達はお互いの瞳の中に自分を探し、
そして、あたりが暗くなるまで寄り添って波の音を聞いていた。
私は、これからこの人のことだけを見つめていく。
そんな思いと共に、飛行機は空港に到着した。
これからまた日常が始まる。
でも、今度は今までとは少しちがう。
タクヤが隣にいる。
少し高い位置にあるタクヤの横顔を見つめて、そっと微笑む。
空港のロビー。
たくさんの人が思い思いの方向に足を運んでいる。
と・・・。
駐車場へ向うエレベータの前に、一人待っている勇樹の後姿を見つけた。
彼の心の中を私が覗くことはもうできない。
いつもと同じようにまっすぐな背中からは、何も推察することはできない。
到着したエレベーターに乗り込んでいく勇樹の後姿を、タクヤの肩越しに見送る。
『ごめんね、勇樹。
そして、本当にありがとう。』
エレベーターの扉が閉まる瞬間、勇樹がこっちを見た気がした。
私は・・・。
腰に回されたタクヤの手の温もりにそっと押されて、
私達の帰るべき方向へと足を踏み出した。
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