第14話
私の頑張りだけで勇樹との恋愛が続いていたんだと知ったのは、
あの海の日を境にして連絡が途絶えたのが理由。
そういえば、いつも私が会いたがっていた。
メールもほとんどが私からだった。
タクヤに背中を見守られる中での「勇樹とのさよなら」は、悲しいくらいにあっけなかった。
私からのさよならのメールに、勇樹はこう返してきた。
【このところ時間が取れなくて全然会えなかったのが理由かな?
ごめん。俺がイブに甘えていたね。
イブの寂しさや悲しみに気がついてあげられなかった。
今、俺は何て言えばいいんだろう。
もう、会えないんだね・・・、ごめん。 】
そして、私はそのメールには答えなかった。
もっと私を追ってくれてもいいじゃない、そんな気持ちがあったけれど、
冷静に考えれば、勇樹は潔い人だったから、
不倫の彼女を引き止めるようなことはしないって、最初から私には分かっていた。
さよならを言い出したくせに、追いかけて欲しいなんて期待をしていたバカな私。
それに、私にはタクヤがいる。
これからは、誰に遠慮することもなく、誰の目を気にすることもなく、
タクヤに向っていけばいい。
そんな当たり前の恋愛が、これほど暖かいものだってことを、
勇樹と出会ってからの私は忘れていたんだ。
”不倫”をして私の中に残ったものは、なんだったんだろう。
もう、二度と不倫はしない、という決心くらいなのかもしれない。
勇樹のことなんてすっかり思い出になって、日常の中では思い出すこともなくなって、
そんな時が早くくるといい…。
「ねえ、夕暮れの寂しい海じゃなくて、キラキラ光る青い海が見たい。」
隣の席でコーヒーを飲むタクヤ。
「青い海か。じゃあさ、沖縄に行こうか。」
「うん、行こう!行きたい!」
コーヒーカップをテーブルにおいて、手帳を取り出したタクヤを見つめる。
パラパラとめくって、仕事の予定を見ている。
「イブも仕事を休むのは2日が限界でしょ?だから、土日を入れて四日間でどうかな。」
私もバッグから手帳を出してスケジュールを確認。
二人の予定を照らし合わせると、2週間後の週末がぽっかり空いている。
「よし、決定。青い海を見に行こう。」
笑顔で私も答える。
「じゃあ、本島にするか離島にするか決めよう。」
即座に私の頭に浮かんだのはかつての勇樹の言葉。
『何年後か、宮古島に一緒に住もうよ。海は綺麗だし、いいところだよ。』
冗談だったのか、本気だったのか今となっては分からない勇樹の言葉。
それを思い切るように、私は首を振る。
「本島にしよう。本島のリゾートホテルでタクヤとゆっくり過ごしたい。」
「海を見たり、お昼寝したり、読書したり・・・」
「そう、そういうのがいいの。そういう時間を一緒に過ごしたいの」
離島は、叶わなかった勇樹との思いがあるから、今は行きたくないの。
ごめんね、タクヤ。
そして、2週間後、私はタクヤと共に、南の青い海を目指して旅立った。
飛行機の中、タクヤの肩にもたれかかって、優しい夢を見ていた。
私の頑張りだけで勇樹との恋愛が続いていたんだと知ったのは、
あの海の日を境にして連絡が途絶えたのが理由。
そういえば、いつも私が会いたがっていた。
メールもほとんどが私からだった。
タクヤに背中を見守られる中での「勇樹とのさよなら」は、悲しいくらいにあっけなかった。
私からのさよならのメールに、勇樹はこう返してきた。
【このところ時間が取れなくて全然会えなかったのが理由かな?
ごめん。俺がイブに甘えていたね。
イブの寂しさや悲しみに気がついてあげられなかった。
今、俺は何て言えばいいんだろう。
もう、会えないんだね・・・、ごめん。 】
そして、私はそのメールには答えなかった。
もっと私を追ってくれてもいいじゃない、そんな気持ちがあったけれど、
冷静に考えれば、勇樹は潔い人だったから、
不倫の彼女を引き止めるようなことはしないって、最初から私には分かっていた。
さよならを言い出したくせに、追いかけて欲しいなんて期待をしていたバカな私。
それに、私にはタクヤがいる。
これからは、誰に遠慮することもなく、誰の目を気にすることもなく、
タクヤに向っていけばいい。
そんな当たり前の恋愛が、これほど暖かいものだってことを、
勇樹と出会ってからの私は忘れていたんだ。
”不倫”をして私の中に残ったものは、なんだったんだろう。
もう、二度と不倫はしない、という決心くらいなのかもしれない。
勇樹のことなんてすっかり思い出になって、日常の中では思い出すこともなくなって、
そんな時が早くくるといい…。
「ねえ、夕暮れの寂しい海じゃなくて、キラキラ光る青い海が見たい。」
隣の席でコーヒーを飲むタクヤ。
「青い海か。じゃあさ、沖縄に行こうか。」
「うん、行こう!行きたい!」
コーヒーカップをテーブルにおいて、手帳を取り出したタクヤを見つめる。
パラパラとめくって、仕事の予定を見ている。
「イブも仕事を休むのは2日が限界でしょ?だから、土日を入れて四日間でどうかな。」
私もバッグから手帳を出してスケジュールを確認。
二人の予定を照らし合わせると、2週間後の週末がぽっかり空いている。
「よし、決定。青い海を見に行こう。」
笑顔で私も答える。
「じゃあ、本島にするか離島にするか決めよう。」
即座に私の頭に浮かんだのはかつての勇樹の言葉。
『何年後か、宮古島に一緒に住もうよ。海は綺麗だし、いいところだよ。』
冗談だったのか、本気だったのか今となっては分からない勇樹の言葉。
それを思い切るように、私は首を振る。
「本島にしよう。本島のリゾートホテルでタクヤとゆっくり過ごしたい。」
「海を見たり、お昼寝したり、読書したり・・・」
「そう、そういうのがいいの。そういう時間を一緒に過ごしたいの」
離島は、叶わなかった勇樹との思いがあるから、今は行きたくないの。
ごめんね、タクヤ。
そして、2週間後、私はタクヤと共に、南の青い海を目指して旅立った。
飛行機の中、タクヤの肩にもたれかかって、優しい夢を見ていた。
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